なくしたものをかぞえてみても…

この花の名前は知らないけど…
入院中の親父を見舞いに行ってた頃によく目にした花だ。
そんな親父の命日がもう近い…

哀しみ、後悔、感謝、尊大さ、儚さ…
人の死には関わった人それぞれにいろんな思いが宿る。

毎日、人の死が無機質な数字となって事務的に伝えられる。
まるで野焼きのような異国の火葬風景がテレビで流される。
その死者の生き様に思いを至らせることもなく…
その一人の死の周りにどれだけの哀しみがあるのかを察することもなく…

死者の数が多いとか少ないとか…
そんなことはどうでもいい。

たとえ一人であっても…
生きられる人を死なせてはならないはずだ。

だから理不尽だと思っても行政の要請には文句を言いながらも応じてきた。
これで一人の命が救えるんだったら…って。

それが…
まさか？とは思ってはいたが…
やっぱり人の命じゃなくて五輪だった。

世の中は三度目の緊急事態だと言う。
だけど俺達は去年の春からずーっと緊急事態だ。
まともに商いが出来た日なんかほとんどないどころか今年に至っては一日もない。

失った日々は何日になる？って…
なくしたものをかぞえてみても返ってくるもんじゃない。
だけどね…
その一日一日は命が救われるであろう人に捧げたつもりで五輪に捧げたわけじゃない。

安心安全、人類がコロナに打ち勝った証、復興五輪…
あぁ結構！結構！もう勝手にやってくれ！

資本主義経済の中で一年にも亘ってコレかよ！
この稼業は社会不適合業種なのか？
それならそれで地下に潜ってアウトローにでもなるしかねーか！って…
社会秩序もヘッタクレもない世の中になっても知らんぞ！

こっちにだって守らなきゃならない矜持と大切な命があるんだから…

って…
とりあえず旅の途中より。（長げぇ～旅だな…）


緊急事態宣言（4/25～5/31）に伴い下記期間休業します。
2021年4月25日（日）～5月31日（月）