小学校から中学校に上がる頃だったと思う…
我が家は本当にモノを買って貰えない家庭だった。
友達がボロボロに乗り古した自転車を貰って乗り回し…
小学校低学年の頃に買って貰ったおもちゃの様なグローブで野球をやってた。
友達は自転車だってグローブだって新品を買って貰うのに…
なんで俺は買って貰えないんだ?
本当に欲しい物なのかどうかよく考えなさい。
本当に欲しければ貯金するなりアルバイトするなりして自分で買いなさい。
ちぇっ、ケチな親だなぁ!
○○君なんか流れるフラッシュのサイクリング自転車買って貰ったのに…
そんなに○○君の家がよかったら○○君の家の子にして貰いなさい!
母とのそんなやりとりはしょっちゅうだった。
親父は上場企業の管理職だった。
よく銀座新橋界隈で飲んでたし、ゴルフにも頻繁に行ってた。
だから貧乏だったってわけじゃないとは思うんだけど…
両親はどちらかと言うとピアノとか書道とかをやらせたかったようだ。
野球なんかをやってると不良になる!そんな偏見も持ってたようだ。
中学校に上がり、親に黙って野球部に入部した。
最初はおもちゃの様な小さいグローブで練習に参加してた。
当然、先輩からは「なんだそれ?」って笑われた。
冬休みに年賀状配達のアルバイトをして…
質流れ品を扱う怪しげな店で2000円払って買ったのは…
無名メーカーの緑色のグローブ。
その夜はグリスを何重にも塗って皮を柔らかくしたグローブを抱いて寝た。
翌日、練習に行ったら顧問の先生にこっぴどく怒られた。
中学生はカラーグローブ禁止だ!
そんなこともわからんのか!
一夜を一緒に過ごしたグローブに愛着が湧き始めた矢先のこと…
泣けた。
悔しかった。
帰宅したらオンボロ自転車ギコギコ漕いで一目散に文房具店に向かった。
茶色のマジックインクを買ってグローブに塗りつけた。
翌日、斑ながら茶色に変色したグローブで練習に行った。
顧問の先生はニコッと笑って何も言わなかった。
下手は下手なりに一生懸命練習した。
三年生に進級する直前…背番号「5」を貰った。
また泣けた。
グローブに感謝した。
顧問の先生に感謝した。
そして両親に感謝した。
モノに惚れこむ事、大切に使うこと、長く使うこと、感謝すること…
いろんな事を教えてくれたんだな…と、今になって思う。
大坂なおみちゃん、凄いね。
おめでとう!
セリーナさん、大切なラケットを叩きつけるなんて最低だよ!
ブーイングを受けるべきは貴女だ!
野球選手にもいるよね…
バットへし折ったり、グローブ叩つけたり…
そんな選手を応援する気にはならないなぁ…
飽食の時代、使い捨て社会って言われるけど…
使えば使うほど手に馴染むし愛着が湧く。
なかなか捨てられない性分ってのはこんな過去があるからなのかもね。
揚げ物用の鍋も…
包丁も…
商売始めた頃からもう16年使ってるよ。
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