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Cute Movies

ザ・マジックアワー

監督:三谷幸喜

(c)2008 フジテレビ 
東宝監督:三谷幸喜
出演:佐藤浩市/妻夫木聡/深津絵里/綾瀬はるか/西田敏行

7:3分けの妻夫木くんにも注目!
(c)2008 フジテレビ 

夕焼けをバックに、まるで映画のような絵。これぞマジックアワー!?
(c)2008 フジテレビ 

シカゴの暗黒街、ではない、スカゴのギャングたちの超コメディだ。
これぞまさにオールザットGAG!

佐藤浩市演じる俳優の村田は、売れない、金ない、オヨビでない。の三拍子揃った三流映画俳優。かつても今も映画界での存在は皆無。その上演技は臭く、ど下手クソな大根役者で当然主演作はなし。しかし彼はひょんなことで実在する伝説の殺し屋を現実の港町で演じるハメになる……。

いやあ、凄い凄い! 
何が凄いって?? 
そりゃあ佐藤浩市の迫真の三流芝居!

なんせ凄いのなんのって。 

え? うそ? あんなことも? こんなことも? 
うそだあ。佐藤浩市がそんなコメディやギャグを演じるわけないでしょ? 大ベテランで日本屈指の俳優だぜ、佐藤浩市は。
いやいや、演じているのではなく三谷幸喜監督にやらされちゃってるんですよコレが!
きっと現場で「もっと派手に!」「もっとわざとらしく!」「もっと下手クソ風に!」なんて乗せられちゃったんですよ!

伝説の殺し屋を演じる彼がギャングの大ボス相手に大仰な見得を切り、潔い啖呵を飛ばし、その上ナイフをなめて凄むシーンは抱腹絶倒!しかも佐藤がかっちょええ!とにかく腸がよじれる程の三文芝居を魅せる佐藤浩市に酔いしれよ!

TEXT BY 茶柱達蔵


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映画の中にまた映画 先の読めない三谷幸喜監督渾身のオリジナル・ノンストップコメディ

舞台は「守加護(すかご)」。レトロな雰囲気の港町だ。
暗黒街のボス天塩(西田敏行)の愛人に手を出した手下の備後(妻夫木聡)。
ボスに「命が惜しければ、五日以内に幻の殺し屋“デラ富樫”を連れて来い!」と言われた備後が思い悩んだ末の苦肉の策が、無名の俳優村田大樹(佐藤浩市)を殺し屋に仕立てあげることだった。そして三流役者の村田はすべてが映画の撮影だと信じ、ゴム製の拳銃で本物のギャング達と渡り合うことになる。

誤解が誤解を呼ぶハラハラドキドキする展開の中ながら、やはりそこは三谷幸喜監督ならではの「コメディ」で随所で笑いの渦に巻き込まれていく。
そして、ラストは誰もが予想しなかった方向へ…。

「マジックアワー」とは映画の専門用語で、夕暮れのほんの一瞬のこと。
太陽が地平線の向こうに落ちてから、光が完全になくなるまでのわずかな時間にカメラを回すと幻想的な画が撮れると言われている、一日のうちで世界がもっとも美しく見える瞬間だ。

この物語の舞台・守加護の住人たちは、「愛」に「仕事」に行き詰まり人生の崖っぷちに立たされている。しかし、売れない俳優・村田が街にやって来たことでやがてそれぞれが「人生のマジックアワー」を体験することに。

「誰の人生にも輝く瞬間がある。」

そんなメッセージが込められた作品だ。

更に、この作品はセットにも注目したい。
「まるで映画の世界。ここにいるといつも思うんです。あのビルも、あっちのホテルも、まるででっかいセットに見えません?」というセリフがあるが、まさしくこの街は大掛かりなセットなのだ。

ハリウッドから来た映画制作関係者に「リアルなセットというよりも、まさにリアルそのもの」と絶賛されたセット。三谷監督は、このセットができあがる様子をエンディング使っている。
その様子は「実はこの町はセットだったんだよ」と種明かしをしつつも「映画の中だけに存在する、この偽物の町・守加護が大好きなんだよ」という、この映画に携わったすべてのスタッフの愛情が込められているように感じられた。

三谷幸喜監督が「4本目にして、ようやく思いどおりの作品ができた」というこの映画。
更にパワーアップした絶妙なキャスティングと、超豪華キャストたちの一挙一動、細部にまでこだわった贅沢な演技によって、今ここに完璧なコメディ映画が見事に完成!!


text by...  外京有美子

2008/05/21