立川駅南にあるOUMIスポーツカイロプラクティック(OSC)のカイロプラクター、近江です。
OSCコラム第3回は
「関節がボキッと鳴るのって結局何なの?」ということについて書いてみました。
カイロプラクティックと聞くと「ボキッとされる」といったイメージをもつ方が多いと思いますが、あれにはどういう意味があるのか興味がある方は是非ご参照ください。
あと、今回はちょっと注意喚起の意味も込めてのコラムとなります。
最近SNS等でボキボキする施術の動画を公開している人が多く、「なんだか気持ちよさそう」「ボキボキされてみたい」と言ったことを聞くことがあります。カイロプラクティックをちゃんと勉強してきた身としては、あまり良くない傾向だなと思っているので
安易に受けないようにという意味も込めて書いています。
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【”関節ボキッ”の正体は?】
関節を動かした際にボキッと音が鳴る現象に関しては実は1911年頃から言われています。
いろいろな説やメカニズムが言われていて、「骨と骨がぶつかる音」「筋肉や腱同士がこすれる音」「癒着がはがれる音」「関節内に発生した気泡が割れる音」などがあります。
ですが最近の研究では関節を動かした(動かされた)際に関節内の圧力が変わって気泡が発生した時の音とされています。*2015年の研究なので、この説がこれから違うものに変わっていく可能性はあります。
関節を動かす⇒関節内の圧力が変わる⇒気泡が発生する際に音が鳴る
という仕組みです。
関節を動かした➡鳴った
関節を動かしたら鳴ったという流れはとても大切なので覚えておいてください。
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【アジャストメントの際に音が鳴ったほうがいいのか?】
カイロプラクティックで行う、関節を動かす施術(関節に刺激を入れる施術)をアジャストメントと呼び、施術の際に関節から音が聞こえることは多いです。
では音が鳴った、聞こえた方がよりいいのでしょうか?
答えはノーです。
「関節を動かしたら鳴った」という流れだと上で説明したように、鳴るのはあくまで動かした後の結果であって、関節を動かすことが目的なので鳴った方がよりいいということはありません。
同様に鳴ったら成功、大きく鳴るほど良い施術ということでもありません。
アジャストメントを行う人がちゃんと関節の動きを感じ取れているかが大切です。
たしかに鳴ることの方が多いのですが、
鳴らしにいってるわけではないので施術を提供している身としては「鳴りましたね、まあ鳴らなくてもなんの問題もないですが」くらいの感覚です。
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【鳴った方が効いてる感じがするけど?】
ここがなかなか難しいところです。
たしかに、ボキッとされる方が心理的な面から気持ちよく感じ、施術が成功しているような気がするということは指摘されています。
「ボキっとされるのが気持ちいいのでそれで十分です。」と言われてしまえばそれまでだと思います。
ただ、あくまでカイロプラクティックの目的は動かす必要のある関節を動かすことなので、「関節を動かす」という過程であり目的は無視することができません。
心理的な部分がないわけではないですが、それを含むもっと大きな像として人の健康をみているので。
カイロプラクティックに関して詳しく知りたい方はこちらからhttps://www.kenssportschiro.com/chiropractic/
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【健康な関節でも音は鳴る】
ボキッと鳴るのは異常のある動きの悪い関節だけだと思っている方もいらっしゃるかもしれません。
実は健康な関節でも音は鳴ります。
つまり、動かす必要のない関節でも力を加えて関節に刺激を入れれば鳴ります。
鳴るという結果だけを求めて、過程であり目的である関節を動かすことが雑になるとケガの原因にもなります。(*無理やり首をひねるなど)
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【誰に受ければいい?】
正直言うとボキッという音が鳴る結果を求めるだけなら素人でもできます。
ただ、一番大切な要素は「なぜその関節を動かす必要があって、今このタイミングでその関節を動かす意味があって、どんな反応が期待できるのか、それに伴うリスクがどのくらいあるのか」ということをちゃんと身体を評価した上で見出せるかどうかということです。
そのことをしっかりと説明して行うには、やはり一定レベルの教育が必要です。
受けたいのであれば、その人がどんな教育背景をもっていて、質問に対してちゃんと答えて説明してくれるかどうかは見極めた方がいいと思います。
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【まとめ】
◎ボキッというのは関節が動かされた時に内部の圧力が変わって気泡が発生した時の音。
◎鳴らしにいくような施術は個人的にはおすすめできないです。鳴らないと意味がないということも絶対にありません。
◎特に急激に関節をひねるような施術はケガのリスクもあるので気をつけてください。
◎心理的な効果は可能性としてあるようです。
◎解剖学・生理学・神経学・バイオメカニクス・鑑別評価などに多くの時間を割いた上で提供できるようになる技術(アメリカでは)なので、誰に受けるかは慎重に選んでください。
◎受ける際はしっかり説明を求めて納得のいく説明が返ってきたら受けるようにしてください。
◎あまりSNS等の動画に影響を受けないでください。
といったことを、留学してカイロプラクティックを学んできた自分としては強く思います。それは最終的にクライアントさんのためになるので。
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【おまけ】
◆自分で関節をポキポキ鳴らすのってどうなの?ということに関してのコラムもあるので興味のある方は↓からご参照ください。
自分で関節をポキポキ鳴らすのってどうなの?https://www.kenssportschiro.com/jointcavitation/
◆今回の内容に関してもうちょっと詳しく!という方は↓も併せてご参照ください。
関節から聞こえる音、ポキッの正体とは?https://www.kenssportschiro.com/joint-cavitation/
◆関節を鳴らし続けると関節炎になるということはなさそうです。
◆このボキッと鳴る現象を専門用語でトリボヌクリエーションと言います。(かっこいい!)
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OUMIスポーツカイロプラクティックでは身体ケアとして、背骨の動きを良くすることを大切にしながら「カイロプラクティックとエクササイズ」「施術と運動」を提供しています。
セルフケアだけでは届かない背骨のケアに関する専門的な部分をカバーさせていただきます。
OSC 近江
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◆OSCコラムではカイロプラクターである近江の思いや意見などを発信・共有しています。
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【参考文献】
◎Kawchuk GN, Fryer J, Jaremko JL, Zeng H, Rowe L and Thompson R. Real time visualization of joint cavitation. PLoS One. 2015 Apr;10(4 ).
◎Powers T, Kelsberg G and Safranek S. Clinical Inquiry: Does knuckle popping lead to arthritis? J Fam Pract. 2016 Oct;65(10):725-726.
◎Protopapas MG and Cymet TC. Joint cracking and popping: understanding noises that accompany articular release. J Am Osteopath Assoc. 2002 May;102(5):283-7.
◎Bakkar et al. Does an audible release improve the outcome of a chiropractic adjustment? J Can Chiropr Assoc. 2004 Sep; 48(3): 237-239.