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立川の地域情報サイト「まいぷれ」立川市

Cute Movies

AIKI

監督:天願大介

ボクシングで新人王を目指す芦原太一(加藤晴彦)。
ある日、太一が運転するバイクに乗用車が突っ込んできて太一は脊髄損傷でボクシングを捨てなければならないどころか、一生車椅子の生活を余儀なくされる。

生きる気力を失った太一は見舞いにきた友人らをも追い返してしまう。
睡眠薬自殺を試みようとする太一に
「1年だけ頑張って生きてみろ。それでもつまらなければ俺は止めない」と声をかけたのは同室にいた同じく骨髄損傷の常滑(火野正平)だった。

1年後。
太一は酒に溺れ、パチンコに明け暮れる自暴自棄な毎日を送っていた。
ある日、女の子に絡んでいるチンピラに絡んでボコボコにされてしまう。
その太一を助けてくれたのは権水(桑名正博)だった。
彼はテキヤを営んでおり、職がないという太一にテキヤのバイトを紹介する。

夏祭りで屋台を任された太一だが、やる気のない彼の態度からか誰一人足を止めない。
そんな太一の前に見知らぬ女が現れ、呼び込みを始める。
どんどん人は集まり、あっという間に大盛況となった。
彼女の名前はサマコ(ともさかりえ)。昼間は巫女のバイトをしているが夜は非合法カジノ専門のギャンブラー。サマコという名はイカサマからとったと言う。
サマコに人生なんてのは全部くその中だ。という太一。
そんな太一の言葉に対するサマコの答えはひねくれているヒマがあったら楽しい事がしたい、だった。
サマコに背中を押され、再びボクシングを始めようとかつてのジムを訪れた太一。
しかし、車椅子では無理だと断られてしまう。
柔道、空手と様々な門を叩くがことごとく断られてしまう。
諦めかけたある日、太一は神社の境内で行われた古武術の奉納演舞で合気柔術を見る。
合気柔術なら自分でもできるかもしれない。
そう思い入門を頼む太一。
その願いは聞き入れられ、太一の修行が始まった。
果たして 太一はくその中の人生から抜け出す事ができるのだろうか・・・。

自分に降りかかった事実、現在の自分の境遇と正面から向き合い、受け入れていく事によって太一は心の闇から這い上がっていきます。
その再生していく姿は見ていて本当に清々しく、前向きでとても熱いです。
決してお涙頂戴的ではなく、笑いを交えながら明るく、でも、真剣に生きる力を取り戻していく姿には心を打たれました。

太一を演じる加藤晴彦の演技がとても光っていました。
生きていく気力を無くしている様子、なくしていた何かを見つけ取り戻し、闇から這い上がってくる様子。
最後に見せる笑顔はとても爽やかで明るく、心の奥があったかくなるような表情でした。

観ている私も自然と笑顔になってしまいました。

太一を支え、変えていくきっかけを作ったサマコ役のともさかりえもすごくいい味を出しています。飄々としているんだけど、肝心な所は押えるという。できる子です。

また、えええ!こんな所にこんな人が?という配役も注目点の1つです。
すごく言いたいのですが、見てのお楽しみと言う事で・・・・。

劇中、笑える場面も多くてあっという間に時間が過ぎていきました。
鑑賞感想を飲み物で例えるならば微炭酸飲料水。
一見、さらっとしているのですが、心に残る1本です。自信を持ってお薦めいたします。

text by...  piroron

2003/01/18

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