ちえびじん 純米吟醸 八反錦 生熟
睦乃家(ぼくんち) 二代目鉄五郎
ピーポーピーポーピーポー…
救急車のサイレンが近づいて来る。
なんだなんだ? 事故か?
自分は野次馬の群衆に紛れて大破した軽自動車を見ている。
救急車が停車した。
救急隊員がこっちに向かって足早に歩いて来る。
そして自分の前で足を止めた。
えっ? 俺???
気付けば自分は大破した車の運転席で血まみれになっていた。
今から32年前の9月7日にこんな経験をした。
これって…
もしかして俗に言う幽体離脱?
折しも一週間後の9月14日に晴れの結婚式を控えていた。
信号無視の車に側面から突っ込まれて押し出されるように電柱に正面衝突。
当時シートベルト着用義務はなく…
折れ曲がったハンドルに顔面を強打した後、フロントガラスを突き破った。
顔面及び頭部裂傷47針、眼球陥没、鼻骨骨折、下顎骨骨折三箇所、前歯欠損7本、上腕筋断裂…
幸いだったのは草野球の帰りで首にタオルを巻いてたから頸動脈が保護された。
即刻入院、二度に亘る外科手術で完治まで半年。
こんな有り様だから当然のことながら結婚式は延期。
それどころか結婚式が葬式になるところだった。
まぁお陰様で今こうして家庭を持ち、息子も結婚し孫も生まれた。
あれは運が悪かったのか、それとも運が良かったのか…
いずれにしてもあの時死ななかったことに何かの意味があるんだろう。
いや、もしかしたら俺は幽霊なのかも…なんて思うこともたまにある。
俺は死なないんじゃないか?
そう思えば恐れるものは何もない。
仮に死にたいと思ったって死なせちゃもらえないんだろう?
そう思えば地べたを這っても頑張るしかない。
人生観とか死生観とか…
生まれたこと、出会ったこと、笑ったこと、泣いたこと、うまくいったこと、失敗したこと…
凡てに因果があり、凡てに意味があり…
周りがどうであろうと己に恥じない生き方を貫く。
(これがなかなか難しいんだナ…)
9月7日は自分にとっての分岐点。
誕生日のような命日のような…
「今日は9月7日だから気をつけてね!」
背中越しに出掛ける間際の女房が一言。
目を閉じてフッと苦笑して…
間をおいて「あぁ」と素っ気なく答える。
さぁ仕事だ仕事だ!
新着の隠し酒は大分の銘酒!
ちえびじん 純米吟醸 八反錦 生熟
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